モンゴルにおける外資企業の設立方法
執筆者: 弁護士 B. エンフジャブフラン
本稿では、モンゴルにおける外資系企業(以下「外資企業」)の設立方法およびその形態に関する概要を解説いたします。昨今、外国籍の個人または外国法人がモンゴル国内に子会社を設立する、あるいはモンゴル国民と合弁会社を設立するニーズが高まっております。
他方、モンゴル国内の事業者が外国投資家と共同で法人を設立し、自社のビジネス拡大することも現在のビジネス環境において広く見受けられます。
本記事では、以下の構成に沿って詳細を解説いたします。
外資企業設立の法的要件
外資企業設立の各プロセス
法定費用および諸経費
想定される所要期間
当事務所による外資企業設立の支援サービス
それでは、各項目について具体的に見ていきましょう。

1. 外資企業設立の法的要件
モンゴル国投資法第3条1項5号に基づき、外資企業とは「モンゴル国の法令に準拠して設立され、法人が発行した全株式の25%以上を外国投資家が保有し、かつ、各外国投資家の出資額が10万米ドルまたはそれに相当するトゥグルグを超える事業体」と定義されています。
国内法人または新規法人が外資企業としての法的地位を取得するには、以下の条件を満たす必要があります。
全株式の25%以上を、外国籍の個人または外国法人に譲渡するまたは取得する。
各外国投資家の最低出資額が10万米ドル(またはそれに相当するMNT)以上であること。
現在、国会によって投資法の改正案が策定され、パブリックコメントの募集が行われています。本改正案が国会で承認された場合、上記の定義は「法人が発行した全株式の25%以上を外国投資家が保有し、かつ、資本金が政府の定める基準額を上回っている場合は外資企業となる」へと変更されます。
したがって、外資企業の設立を検討される際は、最新の法改正の動向および施行状況について、適時、当事務所の弁護士までご相談いただくことを推奨いたします。
2. 外資設立の各プロセス
外資企業を新規に設立する手続きは、主に以下のステップで進行します。
発起人または株主は、独自の法人名称を選定し、国家登録庁(GASR)へ直接またはオンラインで申請を行います。名称の承認にあたっては、「法人名称承認規則」第3条((https://legalinfo.mn/mn/detail?lawId=208780&showType=1))に規定された要件を満たす必要があります。
b) 設立関連書類の作成
本プロセスでは、外資企業の企業統治の基本となる法的文書を作成します。主な文書は以下の通りです。
発起人会議決議書
発起人会議事録
新規会社定款
株主間契約書
これらの文書を作成するにあたり、発起人および株主は、発行済株式数、1株あたりの価格、経営体制、事業活動、住所、代表取締役および取締役会設置の有無などの重要事項を最終決定する必要があります。
当事務所では、モンゴル国会社法および関連法令に完全に準拠した上記文書案を、英語または日本語にて専門レベルで作成し、法人設立に関する総合的な法務相談を提供いたします。
c) 設立関連書類の認証
外国で作成された文書をモンゴル国の登録機関で有効に使用するためには、その国の権限ある機関によるアポスティーユ(Apostille)証明による認証が必要です。アポスティーユ認証の形式は国によって異なります。例えば日本の場合は、外務省が認証した公証人(東京、大阪、福岡などの主要都市に所在)が資料を認証します。文書は一つのセットとして封印され、各ページに公証人の印が押され、最後のページに公証人およびアポスティーユの証明書が添付されます。
d) 設立関連書類の翻訳
外国語で作成されたすべての文書は、モンゴル国の関係機関に提出するため、公式の公認翻訳によってモンゴル語に翻訳されなければなりません。当法律事務所は、英語、日本語、モンゴル語間の資料の内容の完全性を維持した公認翻訳サービスを提供しています。
e) 仮銀行口座の開設
外資企業の投資金すなわち資本金を預け入れるために、モンゴルの商業銀行に新規会社名義で仮口座を開設する必要があります。この口座は、投資家が外国から送金する資金を受け取るための主要なチャネルとなります。
✳︎投資が非金銭的形態、すなわち現物出資で行われる場合、仮の銀行口座を開設する必要はありません。
f) 出資金の送金
投資の原資は必ず外国からのものでなければならないことに注意ください。金銭による投資を行う場合は、商業銀行の口座証明書(外国を原資とする送金が入金されたこと、送金人、金額などが記載される)によって証明し、現物出資による場合は、資産がモンゴルの国境を通過した際の税関申告書によって証明します。
g) 賃貸借契約
国家登録機関に会社を登録する際、法人の公式住所を証明する文書が必要となります。住所の選択については、会社は自己所有の物件、賃貸スペース、あるいは代表取締役の居住地住所で登録することも可能です。
賃貸スペースを賃貸する場合は、賃貸借契約書の写しおよび当該不動産の所有権証明書の写しを提出する必要があります。
h) 国家登録機関への資料の提出
上記およびその他の必要書類を揃え、外資系企業向けワンストップサービスセンターに申請し、登録を行います。(注意:現在、区の国家登録局ではFDI LLCの登録を受け付けていません)。
これに加えて、社印の発注、税務署への登録、社会保険局への登録、仮銀行口座の本口座への移行などの手続きが行われ、これらは当法律事務所の外国語を話す弁護士が総合的に執行します。
3. 費用
外資企業の設立にかかる手数料および費用は以下の通りです。
法人名の承認サービス料:3米ドル
国家登記手数料:210米ドル
外国におけるアポスティーユ証明取得費用:(国によって異なる)
社印・印鑑管理番号発行サービス料:3米ドル
社印作成費用:18.2〜23.8米ドル
公証人サービス料:5.6〜14米ドル
銀行口座の最低残高:約1.4〜5.6米ドル
4.期間
上記のすべての段階を完了し、正式に会社を設立するまでには、平均して2〜4ヶ月の期間を要します。登録プロセスは、海外からのアポスティーユ認証済み資料の輸送および準備のスピード、発起人の数や居住国、株主間契約書等の内容に関する当事者間の合意や交渉にかかる時間、会社の構造や事業内容に応じた追加の法的規制などの要因によって異なります。
最初の外資企業設立の決定がなされてから15営業日以内に国家登録局に申請する必要があります。この期限を超過した場合、違反法に基づく罰金が科されるリスクがあることにご注意ください。
5.法律事務所への外資企業設立業務の委託
外資企業の設立は、一見簡単で容易な作業に見えるかもしれませんが、文書の構成や内容、プロセスの順序、さらに政府機関や銀行の要件を満たすことなど、多くの課題や困難があります。
当法律事務所は、外資企業を含むあらゆる種類の法人の設立プロセスを請け負うだけでなく、以下の包括的なサービスを提供しています。具体的には以下の通りです:
公認法的翻訳:会社設立に必要なすべての文書を専門的なレベルで翻訳し、認証します。
投資および会社法:投資構造、株主間契約、コーポレートガバナンスの問題に関するアドバイスの提供。
労働法:従業員と締結する雇用契約書や就業規則案の作成。
紛争解決および代理人業務:事業活動中に生じた紛争においてクライアントの利益を保護し、裁判所や仲裁手続きにおける代理人サービスを提供します。
本稿に関連する詳細なアドバイスや情報については、以下までご連絡ください。
Eメール:contact@akp.mn
電話:7704-1414